陰の章 若返るために


8 「赤筋」と「白筋」



 ゆっくり動くとき、または静止しているときに使われるのは、「緊張筋」です。この筋肉は、赤い色をしているので「赤筋」とも呼ばれます。

 早く、力をこめて動くときには「相性筋」が使われます。この筋肉は色が白く「白筋」とも呼ばれます。

 一般に、ウエイトトレーニングで鍛えるのは「相性筋」です。腕の上腕二等筋は鍛えると、腕を曲げた時に「力瘤」になります。相性筋はきたえると肥大します。

 競輪の選手は太ももの大腿四等筋が異常なほど太く鍛え上げられています。それは、激しく、強く鍛え上げた結果、「相性筋」が発達したのです。

 陸上短距離の選手の足も、速く走るためには瞬発力を要するので、やはり、「相性筋」が発達しています。

 それに対して、マラソン選手はそのような太い筋肉を持った選手は皆無です。それは、長距離を走る場合、持久力を持つ「緊張筋」を鍛えた足腰が大切で、「相性筋」の発達した人は長距離を走る選手にはなれないからです。

 若いころは、強さやスピードに憧れをもち、「白筋」の発達したからだを目指しても、それを維持できるのはせいぜい四十台までです。それ以降は、その同じ筋力を維持するのは次第にむずかしくなります。

 それに対して、「赤い筋肉」は鍛えても肥大しません。日々トレーニングしていけば、五十代、六十代、さらに七十台、もっともっと高齢になっても維持していくことができます。

 

 
 [BACK][TOP][HOME] [NEXT]